未経験の2人、手術強行…山本病院患者死亡(読売新聞)

 輸血用血液を準備せず、少人数での手術――。奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」(解散)で肝臓手術を受けた男性(当時51歳)が死亡した事件は6日、病院関係者の証言から、業務上過失致死容疑で逮捕された元理事長・山本文夫被告(52)=詐欺罪で実刑判決を受け控訴中=、元主治医・塚本泰彦容疑者(54)の執刀医2人が、経験や技術を伴わないまま手術を「強行」していた実態が浮かび上がった。

 「肝臓は出血しやすいけど大丈夫ですか」。4年前、山本病院のベテランの女性看護師は、山本被告に不安を訴えた。「肝臓手術の経験なんてないのに……」。だが、山本被告は「簡単な手術やん」と取り合わず、その後、輸血用血液が全くないまま山本被告、塚本容疑者、看護師2人の計4人で手術が行われた。

 医療関係者によると、血管が集中する肝臓は大量出血の可能性があるため、輸血用血液は一般の開腹手術の約1・5倍にあたる2リットル程度を用意し、麻酔医を含む7、8人で手術を担当するのが一般的で、専門医は「経験や止血法などの専門知識がなく、指導医もいない状態で肝臓手術をするなんてあり得ない」とする。

 看護師の不安は的中。手術中に肝静脈を傷つけ、大量出血した。だが、縫合を終えた山本被告は手術室から姿を消した。酸素マスクをつけた男性の顔は真っ青で心肺停止していた。

 「すぐ輸血を準備して」。看護師から要請を受けた検査技師が、赤十字血液センターから急きょ血液を取り寄せ、輸血された。人工呼吸や心臓マッサージが施されたが、手術開始から約4時間半後、男性の死亡が確認された。その間、看護師が山本被告の院内連絡用PHSを何度も呼び出したが、一度も応答はなかった。

 男性は、山本被告らに「がん」と診断され、手術を受けたが、死亡後、腫瘍(しゅよう)は良性でがんではなかったと判断された。このため、県警は「不必要な手術で男性を死亡させた疑いがある」として、傷害致死容疑の立件を目指したが、業務上過失致死容疑での逮捕となった。

 医療問題弁護団代表の鈴木利広弁護士は「故意の立証が必要な傷害致死は、動機などの自供がないと困難」と話している。山本被告は05〜07年、心臓カテーテル手術をした際、ステントを使ったように偽装し、計約830万円をだまし取ったとして、詐欺罪で懲役2年6月の実刑判決を受け、控訴している。

 ◆「実験台にされた」遺族

 「病院の実験台にされたのかもしれない」。男性の両親は読売新聞の取材に対し、悔しさをにじませた。男性が死亡した際、両親は山本病院側の「死因は心筋梗塞(こうそく)」との説明を信じたが、昨年春、捜査員に「手術中に死亡した」と告げられた。

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